柳宗悦展から思うこと

今、鳥取県立博物館「柳宗悦展 ―暮らしの眼差し―」(4月7日~5月20日)が開催されています。
その関係もあって当社は柳先生に関する取材をいろいろな所から受けました。
これも柳先生とのご縁をいただいた事なのでしょう。
そのご縁についてお話をしたいと思います。

昭和24年7月「妙好人因幡の源左」の調査で柳先生が当地青谷町山根の願正寺に滞在された頃の話です。

当時、紙漉きをしていた塩義郎(大因州製紙創業者)は23歳、
和紙の将来に対してこのまま続けるべきか迷っていました。
そんな時、願正寺で柳先生に出逢って何か惹かれるものを感じ、
何度もお話を聞きに行きました。

ある日、焼いたとうもろこしをキズや黒皮の入った和紙に包んで持って行った所、
柳先生はその紙を広げ、愛しむ様に撫でながら「味が深いねえ。美しいねえ」と言われました。
紙は商品にならない和紙でした。が、その紙を褒められたのです。
その頃は、和紙は高いか安いか・強いか弱いか・白いか黒いかそんな事しか言われなかった時代だったので、
柳先生の言葉に非常に驚き、衝撃を受けたらしいです。
また柳先生はこうも言われたそうです。
「和紙は世界の産業になるよ」と。それは若い塩義郎の心に響く言葉でした。

柳先生のさまざまな話から物の美しさや物の価値を教わり、
和紙づくりに対しての確固とした気持ちが出来たといいます。
また柳先生との繋がりで鳥取の吉田璋也先生や型絵染の芹沢銈介先生にも育てていただきました。

昭和31年には、『美しい和紙を安くもっと多くの人に』の願いから
中国地方で初めて機械を取り入れた和紙の製造に踏み切りました。
「和紙の原料の楮、三椏、雁皮は紙になるために生まれてきたんだから、
その材料の働きにすがって和紙を作っていけばいいんだよ。
すべては楮のはからい」とよく言っていました。
今は私達がその仕事を引き継いでいます。

人と人との出会いは不思議なものです。
柳先生との出会いがなければ今の大因州製紙は生まれなかったかもしれません。


鳥取県立博物館 「柳宗悦展 ―暮らしの眼差しー」
【会  期】 2012年4月7日(土)~5月20日(日)※5月1日(火)のみ一部展示替えのため休館
【開館時間】 午前9時~午後5時(土・日・祝日は午後7時まで) ※入館は閉館の30分前まで



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大因州のウェブサイトへ:www.daiinshu.co.jp
和紙文具紹介サイトへ:inshusen.exblog.jp

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by ak-shio | 2012-04-19 14:17 | 因州箋だより

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