簀を編む人 - 小畑文子さん (その2)
簀の設計
簀を編む作業は、まず出来上がりの簀の寸法を出す、
設計に始まります。
簀の大きさは、枠となる桁(けた)の大きさ、
そして木桟、金桟の位置によって竹籤を接いだり、
網目を通したりする場所を決めていきます。
新しく桁をつくる場合は、たとえ手元に桁の設計図があっても、
出来上がりの実物を採寸するまで、設計はできません。
桁を8等分に分ける7本の木桟が、完全な均等割付では
ないことも結果としてあるからだとおっしゃいます。
採寸には尺貫法が現役、設計作業はとくに慎重に。
的確な判断と正確さ、なにより経験がものをいう工程です。
ここで気をつけることは、木桟や金桟と簀の網目、
竹籤を接ぐ位置が重ならないようにすることです。
竹籤は、晩秋に真竹を刈り取り乾燥させて後、
竹を割り、最終的に1ミリほどの細さにまで削るように
手作業で作られます。
手間がかかり高価なためと、和紙専用の竹籤職人が
激減し流通量そのものが乏しいため無駄にはできません。
しかし節のない部分のみを籤として使うので、
籤は長さ40センチほど。簀の横はばは、その数倍は
ありますがら、最低でも3,4箇所は籤を接ぐ必要があります。
できるだけ長いまま使ったほうが経済的なのですが、
桟との兼ね合いを見て、籤を切って接ぎの良い
位置で接ぎます。
続き・・・その三
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by ak-shio | 2007-12-27 17:20 | いろは人訪記