旧吉田医院 ~一日公開記bis
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旧吉田医院は、鳥取の民藝運動を牽引しプロデューサー的役割をになった吉田璋也氏(1898~1972)が1952年の鳥取大火後に再建した木造土蔵風四階建ての病院です。
道の向かいには、鳥取民藝美術館、鳥取たくみ工藝店、たくみ割烹店が並んでいます。この界隈を訪れた際に、
(・・・この、中はどんな感じだろう)
と思っていた方も多いのではなのでしょうか。
2008年10月13日は、初の一般公開が行われました。
診察室や待合室などを実際に見て廻ることができました。

耳鼻咽喉科の診察室の全体の様子です。
患者さんの入り口は写真の右側になります。

これより、一代前の椅子は座面が四角になっており、
ロッキングチェアにリフォームされて使われています。


その横には、鳥取辰巳木工の家具が置いてあります。今回の公開にあわせて、現在の耳鼻咽喉科の先生をお呼びし、調度を配置したそうです。

私には具体的にどのように使うのかが想像できません。
このままオブジェになってしまいそうです。


蓄膿症などの手術を行ったそうです。

こういう一手間を添えることで、愛される道具として後世でも大事されるのではないか、と思ったりします。
ここで、意匠の仕上げの説明に突入。

こうすることで、梁の印象が和らぎながらも、隅には心地よい緊張感が。
吉田先生は、この仕上げに一方ならぬこだわりがあったそうです。

このまま復刻して我が家でも使いたいと思いました。
普通真ん中に穴を開けてしまいそうなところを、入れ口をずらしているのがポイント。
容量を増やすことができます。
入れ口の仕上げも滑らかに縁がカーブになっていて、屑箱然としていないのが素敵です。

待合室に置かれた椅子
見所が随所にちりばめられた旧吉田医院でした。
そのあとは、吉田歯科の駐車場スペースを利用した、
ハーフオープンカフェで”民藝珈琲”を堪能。
秋晴れの涼やかな風のなか漂う珈琲の香りは絶品でした。
通りを眺めていると、車に乗った人たちが、珍しそうに旧吉田医院の方向をみていました。
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大因州のウェブサイト http://www.daiinshu.co.jp
by ak-shio | 2008-10-14 09:59 | 因州箋だより